給与ファクタリング

いわゆる給与ファクタリング

最近個人向けファイナンスの分野で話題の主役ともいえるのが給与ファクタリングといわれる取引形態です。これは、一般的には、被用者である個人が雇用者に対して保有する給与債権をファクタリング事業者に譲渡（売却）して資金化・ファクタリング事業者から代金を受領し、将来の給与支払日後に手数料分と合わせた金額をファクタリング事業者に弁済するという取引とされます。一見、企業の資金調達手段として広く利用されているファクタリング取引（売掛債権等を資金化するファイナンス取引）に類似していることから「給与ファクタリング」という名称が用いられますが、実体は上限金利を大きく上回る利息を違法に支払わせようとする無登録業者による闇金の一種に該当する場合があると金融庁が注意喚起をしています。

金融庁のノーアクションレターと経産省のグレーゾーン解消制度

金融庁は、2020年3月5日に一定の給与ファクタリング取引が貸金業に該当すると回答しており、当局の姿勢は明確になっています。他方で、経産省のグレーゾーン解消制度を通じて公表された事例においては、既発生の給与を雇用者に代わって被用者に給付する取引について、貸金業に該当しないとする金融庁の見解が公表されています。一見類似する取引ですが各種条件が異なりますので、同種の取引を利用・導入する際には専門家の助言のもとで慎重に検討することを要します。

最後に。。

業務上の必要性から、給与ファクタリングに関する最新の動向などについて調査していたのですが、昨今の広告機能は賢しいもので、各種検索エンジンやアプリケーションの広告欄に「給与ファクタリング」「借入のご案内」の類が絶え間なく表示されるようになってしまいました。確かにその情報は知りたかったもので調査していたのですが、そういうことではないんですよね。。