Fiduciary Deep-Focus

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米SEC: DEPの活用に対する規制のあり方に関する意見募集

SECによる意見募集

2021年8月27日、米証券取引委員会(SEC)は、DEP(Digital Engagement Practice)、すなわち、ゲーミフィケーションを含む投資家による投資を用意にする各種技術・ツール・デザイン等の使用に関する規制のあり方について意見募集を開始しました。(原文はこちら

昨今の各種アプリケーションを用いた投資プラットフォームの影響が個人投資家に与える影響を踏まえ、その規制のあり方の議論を進めたいというものですが、特にこのDEPが投資アドバイスに該当するかどうかという観点での問題意識があるようです。

Regulation Best Interest

近年、SECはbroker/dealerによる投資アドバイスに関する新たな規制としていわゆるRegulation Best Interestを導入し、一定の書面交付・説明を含む規制の強化が図られています。仮に証券会社の運営する投資プラットフォームでのDEPが投資アドバイスに該当する場合は、このRegulation Best Interestを遵守することを求められることとなるため、DEPを活用する事業者にとっては大きな制約となる可能性があります。

日本への示唆

日本においてもコロナ禍における投資需要の増大に伴って投資人口が増大傾向にあります。その状況を後押しする要因の一つはおそらく使いやすいUXを用いたアプリケーションの活用にあるでしょう。金融審議会市場ワーキング・グループでは顧客本位の業務運営を改定する過程で重要情報シートの活用について、オンラインの取引の場面も念頭に置きつつ、議論がなされました。今後DEPのあり方について一定の議論が行われる可能性もあり、米国での動向は有益な先行事例として注目に値するものと考えます。

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