Undevelopped Negatives

未現像の雑感を慎ましく綴ります。

 
 
 

六華の夢幻

リフレッシュ求む

完全なるフリーランスで仕事をなさっている方には共感いただけると思いますが、日々の生活の中で徐々に曜日の感覚が鈍っていきますよね。土日も平日も業務が滞っていれば執務しますし、そうでなければ平日でものんびりという具合で。

そういうサイクルを少しリセットしてリフレッシュしたい、と最近は考えていました。

雪の日の美術館

1/18の土曜日、東京は早朝から六華がちらつく寒い日でした。前々から行かねばと心に決めていた展示会が終盤に近付いていたので気もちを奮い立たせて午前中に世田谷美術館に向かいました。

予想通り寒いこの日は人がまばらで自分のペースでゆっくり鑑賞できました。展示されていたのは奈良原一高氏が1960年代にスペインで撮影した写真。私はこの方の写真がたいそう好きで、写真集も持っているのですが、このスペインのシリーズはどれも初見で(というのもこれらの写真が収録された写真集は大変古いもので入手も難しいのです)、大きく引き伸ばされたプリントを何度も行き来しながら見比べることができてとても贅沢でした。

現代のデジタル処理された鮮明な写真とは一味違う、何とも雰囲気があってメッセージ性の強い作品群でした。

美術館内がガラガラといいますか、ガララーガな状態でしたので、休憩をはさみながら5周くらいしてしまいました。凍えるような日でしたがとても満ち足りた気分になったのでした。

突然の訃報

翌日19日に氏が逝去されたとのニュースをみて大変驚きました。この喪失感はうまく例えられません。手元に残った写真集を丁寧にめくりながら悼みたく思います。

othersGo Fujii