ファイアーウォール規制の見直し等

市場制度WG報告書（二次報告書）の公表

2021年6月18日、金融庁の設置した会議体である金融審議会市場制度ワーキンググループは第二次報告書を公表しました。主な提案事項はいわゆる成長資金の供給の促進を目的とした制度改正（株式投資型クラウドファンディングの規制緩和等）と、銀証間ファイアーウォール規制の見直し（上場企業等の顧客情報について顧客の同意なくグループ内の銀行・証券会社間の共有を認めること等）です。

特に銀証間の情報連携の制約についてはこれまで金融グループが一体となって総合的なサービス提案をする際のコストとされ規制緩和の声が業界内で多かった事項でありましたが、同時に、顧客情報の保護という視点からは慎重であるべきとの声もあり、ワーキンググループでも継続的に議論が行われてきた経緯があります。今般の報告書では、全面的な連携の解禁ではなく、情報管理の強化と上場企業等の一定規模以上の顧客について事前の同意なく情報連携を可能とする、バランスを重視した提言がなされています。