秘すれば花なり

持ち帰り順番待ち中

自宅近所の飲食店で持ち帰りの弁当を注文して順番待ちをしていたときのことです。私の後に入店した方（60代男性と推察）が消毒液のスプレーでひと吹きした際にヒンヤリとしたスプラッシュが私まで届いたのでビクビク・ガクガクと小刻みに反応してしまいました。いわゆるジェル状の商品ではなくて広範囲に吹きかけられるスプレー方式だったので思わぬ飛距離が出てしまったに違いありません。

恐るべき眼力

ヒンヤリ体験の直後にその方をふと振り返ったところ、その方の立ち居振る舞いに目が奪われました。両手に荷物を抱えていらっしゃったにもかかわらず、何とも優雅と申しますか、無駄のない所作で狭い店内をスイスイと進んでゆく様子が印象的でした。さらに、すれ違いざまにその方の横顔を見てハッとしました。パッチリメイクでした。マスクをしていらっしゃったので余計に目元が強調されていたのかもしれませんが、華麗な所作と差し入れらしき手荷物から察するに、舞台役者の方ではないか？と想像を膨らませました。

以前、中東エリアの空港でのんびりフライトを待っていた際にヒジャブを纏った方々がアイメイクに力を入れていて簡素な服装とのギャップもあってひときわ美しく感じたことを思い出しました。目元が美しいとヴェールに包まれた姿全体も自然と美しく感じるものなのですね。

余談ですがマスクをした方は美男美女に見える傾向にあるというお話を聞いたことがあるような。

本日の一言『秘すれば花なり　秘せずは花なるべからず』（「風姿花伝」by 世阿弥）