Fiduciary Deep-Focus

顧客本位の業務運営/フィデューシャリー・デューティー(fiduciary duty)に関する国内外の情報を中心に発信いたします。

「お客さま 顧みてこそ顧客なり 顧みずでは 聖帝サウザー」

FSA: 投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果

令和3事務年度のモニタリング結果の公表

2022年4月30日、金融庁は「投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」を公表しました。モニタリング結果は多岐にわたりますが、

  • 仕組債のように、中長期的な資産形成を目指す一般的な顧客ニーズに即しているとは考えにくい商品・サービスが、限定した顧客に絞って販売する態勢が整っていない

  • 営業現場において、①提案ツールの活用、②顧客の運用資産全体を最適化する意識の定着に課題が あり、資産全体の最適なポートフォリオの提案には必ずしも繋がっていない

  • 顧客に最善の商品を提供するために、明確なプロセスや仕組みを定めた上で商品選定を行い、各 顧客に適した商品を提案することが求められる

  • 同一インデックス投信が併存する場合には、自社のHPの検索機能の充実、対面・非対面で手数料 に差異がある場合には、その明示など、顧客への情報提供の在り方についての検討が望まれる

  • 長期分散投資の実現のために、販売後においても、① 定期的に顧客の意向を確認し、② 顧客の保有 資産全体を見ながら、③ ポートフォリオの最適化のための提案を行うことが望まれる

  • 自社の経営戦略と整合的な業績評価体系を整備し、営業現場に対し顧客本位の業務運営を動機付け ることが求められる

  • 顧客本位の業務運営に関する取組にあたっては、様々な指標を用いて現状を把握し、それを踏まえて 今後の取組の改善に繋げる、事後的な検証態勢(PDCAサイクル)の構築が重要

など課題点の指摘があります。

また、個別の商品としては、仕組債、ファンドラップ、外貨建て一時払い保険などが顧客ニーズに照らして最適か、また、十分な説明が行われているかという観点から問題提起がなされています。